ケータイ用vlog


    

2010.07.26

学生による絵本ができました

久本 直子

 毎日暑い日がつづきます。あっという間に、7月も終わり、前期も終了です。合評が続いたりしていましたが、みなさんが前期の間に学んだことを力にしていっているなぁと実際に強く感じる瞬間です。頑張った人ほど、得たものは大きかったのではないでしょうか。夏休みもいろいろ楽しみながら、新しいことをどんどん体験しましょう。それが制作への幅になってくると思います。

 7月24日、学校の近くにあるガーデンシティ舞多聞、でゼミの学生や、環境建築の方々、造形の学生さんたちが関わっているプロジェクトの絵本完成セレモニーがありました。

 ゴルフ場だった場所を宅地にしていくという計画で、その場所での造形アートワークショップを経て、そこに住む子ども達へ、土地のものがたり絵本を作るというプロジェクトです。

 谷口先生のほうでの造形アートワークショップでは、実際に木を切るという体験から始まりました。木を切って、別の日にそこから動物をつくっていくのです。小さな子どもから大人まで、木を切る体験をしました。個人的には生き物を切る、ということで気持ちが複雑だったのですが、木を切る作業は何故か楽しく優しく、自然の懐の深さを改めて知ることが出来たイベントとなり、ますます、この感覚を絵本という形で伝えたい、と強く感じました。


ゴルフ場にて。木を切り、動物がどんどん組み上がっていきます。
出来た動物たちは一体なにを想うのでしょう。
 

 ワークショップでは、そのすぐ後にそういった動物たちが海へ、街へ出かけたら…?ということで実際に出来た動物たちを街へ連れて行くという展開もありました。

 そういったワークショップなどを通して、2009年4月から、絵本のストーリーを作ることを有志で授業外のプロジェクトという形で始めていきました。

 絵本の骨格はストーリーです。伝えることは何なのか、しっかり練っていく必要があり、ワークショップの内容が単なるファンタジーになってはいけません。その土地のお話であること、そしてちゃんと必要な事が伝わること、それを重点的に、造形とビジュアルの学生が、それぞれのストーリーを何度も何度もやりなおし、なんとか形になった時点で私のほうで審査をし、ひとつのお話を決定しましたがどれも世界があり、良いものになっていたと思います。ただ、今後の展開も考え、絵の作者を選ばず、絵がつけやすいということを基準にしました。それは即ち読む人の選ばないのでは、という考えでした。そういった意味で、造形表現学科の西尾さんが選ばれました。

 その後、その文章をもとにイチから絵をつけるのですが、すでに半年が経過しています。さすがに授業外での活動ということで、かなり人数も減り、久本ゼミでの募集をかけ新たに人数を増やした上で絵をつける作業に入りました。

 今回はただ単に絵をつける、のではなく体験から、気持ちから、という部分が必要なのもあり、また学年末にかかってきたので、かなり皆苦戦していましたが、最終的には5名、絵を提出できたのは4名で、それぞれに個性あふれる絵が一つの文章から生まれました。

 その絵を UR都市機構の方、舞多聞にある保育園の園長さん、造形表現学科の谷口先生、私で審査会を開きました。いろいろな意見交換の結果、ビジュアルデザイン学科の奥村くんの絵が選ばれました。

 今後の展開として読み聞かせを想定した絵本制作であったため、結果的には読み聞かせに合う絵、を選んだ形です。

 その後、絵の修正、文字入れ作業、原稿作成、確認、手直し、等々、色んな方々にご迷惑をおかけしながら、なんとか入稿完了、5日間で印刷&製本をしていただき、やっと、本が出来上がりました。

 やはり、本になると感動しますね。プロジェクトに関わった皆さんも喜んでくださり、私も嬉しく思いました。

 作者も、文章は今回が初体験、絵も人の絵につけるのは初体験、それでも少しでもレベルが上がるように妥協しないようにと 期日を延ばしながらなんとかできて、ひとあんしんです。学生もとてもがんばったと思います。

 その後、審査をしてくださった園長さんにご協力いただき、ゼミ学生と、造形の方々、環境建築の方々と保育園へ本の読み聞かせに行きました。

 子どもたちは一生懸命ききいっていましたが、意外と読み聞かせというより途中で会話になっていっておもしろい展開があり、学生達もよい経験になったのではと思います。


学生たちによる読み聞かせ。子どもたちと一緒に過ごし元気をもらったひととき。
子どもたちは元気いっぱい。
 

 そして、町でのお披露目として 今回絵本完成セレモニー&造形ワークショップガーデンシティ舞多聞「まちの絵本ができたよ!」の集いが行われました。 http://www.kobe-du.ac.jp/2010/07/15152/


セレモニーの様子。原画展示とごあいさつ、そして作者による読み聞かせがありました。
 

造形表現学科の学生による造形ワークショップ。
紙粘土と舞多聞の木々や草でどうぶつをつくります。
大人も子どもも夢中で製作。お子さんもとっても上手に。
そんな生まれたての動物を、昨年作った動物たちについている「舟」にのせ、
先輩動物に案内してもらうという設定。
 

つるされた動物のこどもたち(カゴ、舟に入っています)
 

 この「本をつくる」という経験は私にとっても大きいものでしたし、人と自然をつなぐツールとしての絵本が作れたこと、学生たちも大きな意図に沿って作る事の大切さ、ものづくりに関わるひとたちがどんなに真剣にものを作っているかにも触れられ、たくさんのものを得たのではないかと思います。

 そしてこれからの展開として、読み聞かせの輪が広がっていくことになりそうです。この本の読み聞かせをご希望の際には是非、お声おかけくださいね。学生の読み聞かせもますますパワーアップしています。

 10月にはこのプロジェクトのセレンディップでの大型展示が予定されています。選ばれていない絵や文章の展示もあります。力作揃いです。街の流れの説明もあります。是非お越し下さい。

 ご協力いただきました方にあつく御礼申し上げます。ありがとうございました。

 授業でも最近音読をとりいれて、音の美しさ、親から子どもへ語りかけるやさしい言葉の必要性を感じています。(特別講義の森ゆり子さんの講義内容ともリンクします)

 これから、を作るのはこどもたち。そして学生たちです。どんな新しい社会を作るのか、若い人たちにも、もっと暮らしやすい社会を提案できるような人が育ってくれればと願っています。



 
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